2025年12月19日(金)、国分寺市立光公民館にお招きいただき、
アート講座「アートdeクリスマス『クリスマスにちなんだ絵画と豆知識』」にて、加藤まり子が講師を務めました。

当日は20名を超える方にご参加いただき、20代から80代まで、幅広い年代の方が一堂に会する講座となりました。
会場では、メモを取りながら熱心に耳を傾ける姿が多く見られ、作品一つひとつを丁寧に味わう、落ち着いた時間が流れます。

本講座では、「クリスマス=キリストの誕生日」として広く知られていることを入口に、キリスト誕生に至るまでの物語を、絵画を通してたどりました。
数ある場面の中でも、最初に紹介したのは、絵画で特に多く描かれてきた「受胎告知」です。

天使がマリアのもとを訪れ、「あなたは神の子イエスを身ごもります」と告げる場面で、突然の知らせに戸惑いながらも、神の意志を受け入れるマリアの姿が描かれています。
キリスト誕生の始まりを告げる重要な場面として、描かれる内容や作者ごとの表現の違いを見比べました。

また、受胎告知や聖母子像とともに描かれることの多い、預言者と巫女についても紹介しました。
この日は、昨年ローマ教皇選出選挙(コンクラーベ)が行われたことでも話題となった、システィーナ礼拝堂の天井画に描かれた預言者と巫女を取り上げました。
エリザベツ訪問、マリアとヨセフの結婚といった場面を経て、物語はキリスト降誕へと進みます。

キリストの降誕の場面には、さまざまな登場人物が描かれます。
キリスト、聖母マリア、ヨセフのほか、祝福に訪れた天使や羊飼いたち、また牛小屋で生まれたというエピソードから、牛が描かれることもあります。
さらに、東方三博士の礼拝、エジプト逃避と嬰児虐殺など、キリスト誕生前後のエピソードについて、絵画に込められた象徴や意味を解説しました。

加えて「聖母の七つの悲しみ」にも触れ、日本で数少ない14世紀以降の貴重な作品を所蔵する 国立西洋美術館のコレクションについても紹介しました。
後半では、ヨーロッパのクリスマス文化についてのお話をしました。

アドベントキャンドルという習慣があり、クリスマスの約4週間前から、夕食の時間にキャンドルに火を灯し、クリスマスまでの日々を静かに待ちます。
最初の週は1本、次の週は2本と、毎週1本ずつろうそくを増やしていき、クリスマス直前には4本すべてに火が灯ります。

また、教会に飾られるプレゼピオと呼ばれるキリスト降誕場面の人形飾りや、サンタクロースのモデルとなった聖ニコラオスの逸話など、
宗教と日常が結びついたヨーロッパのクリスマス文化に、参加者の皆さんも興味深そうに耳を傾けていました。

参加者からは、
「絵画の中のアイテムが、さまざまなメタファーであると知り、今後の鑑賞がより楽しみになりました」
「フィレンツェやミラノ、ローマで見てきた絵を思い出しながら聞くことができ、旅の記憶がよみがえりました」
「何気なく過ごしていたクリスマスを、知識を持った目で新しく体験したいです」
といった感想が寄せられ、
講座終了後も、多くの受講者の方が講師のもとへ足を運び、感想や質問を交わす姿が見られました。
改めて、ご参加いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。
クリスマスの絵画が、これからの日常の中でも静かに思い出される時間となれば幸いです。

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