映画「甦る三大テノール 永遠の歌声」
映画「甦る三大テノール 永遠の歌声」を見てきました。
イタリア開催1990年W杯前夜に行われたコンサート。当時のオペラ界の大人気スターであったパヴァロッティ、ドミンゴ、カレーラスの3人が一つのステージに立った伝説のコンサートです。当初は一度限りの予定でしたが、その後各地で開催。2002年日韓W杯では横浜でも開催されました。開催に至るまでの裏舞台などをインタビューを交えながらドキュメンタリー形式で綴った映画です。
こんな豪華な舞台なのに、当の本人たちは「誰もテノール3人なんて興味ないだろう」と思っていたそうですが、翌日反響を見てびっくり。世界的にオペラファンを増やすイベントとなりました。サッカー好きの3人が気負わず開催したものなので「おじさんたちが楽しんで歌っているなー」という様子が伝わってきます。
ここで舞台となった「カラカラ浴場」を芸術学の世界から見てみましょう。
カラカラ浴場
舞台となったのはローマ遺跡、カラカラ浴場です。
ローマ帝国では公衆浴場が発達していました。日本では映画「テルマエ・ロマエ」のおかげで一躍有名になりましたね。
これは首都ローマだけでなく、植民市を含めローマ帝国各所で見られました。当時の公衆浴場はお風呂だけでなく、娯楽とコミュニケーションの場所でした。男性用、女性用が別れており、水風呂やサウナ、ジムも併設されていました。そのほか詩の朗読なども行われていたそうです。ルシウス(テルマエ・ロマエの主人公)の気合いが入る訳がわかります。
フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団
フィレンツェの中心となるシニョーリア広場。実はこの地下にもフィレンツェ版「テルマエ・ロマエ」があったんです!
大晦日にはここで年越しライブが行われます。
なんだか指揮者の方が楽しそう♪そしてオーケストラの方は寒そうですね。
フィレンツェでは複数のオーケストラが活動していますが、その中でも五月音楽祭管弦楽団は海外での公演も多く世界的にも有名です。そして、三大テノールのカラカラ浴場でのコンサートで演奏も務めました。指揮者ズービン・メータさんは今でも五月音楽祭管弦楽団で指揮を取っています。
夏にピッティ宮殿で開催される野外オペラも五月音楽祭管弦楽団の演奏です。写真は2016年夏に開催された「椿姫」です。
普段の中庭はこんな様子。
実はこのピッティ宮殿、オペラの発祥の地でもあるんです。ピアノが生まれたのもフィレンツェ。そんな関係で、今でも年中コンサートやオペラを鑑賞することができます。ピッティ宮殿もそうですが、教会や宮殿などで開催されることも多く、まるでタイムスリップした気分で鑑賞できます。ぜひフィレンツェ観光の際には音楽鑑賞も楽しんでくださいね。
三大テノールをもっと知りたい方は
さて、映画「甦る三大テノール 永遠の歌声」を見て帰宅するとNHKららら♪クラシックで三大テノールが特集されていました!もう一度映画をおさらいすることができました。再放送が2/11 10:25〜放送されるようなので、ご興味のある方はぜひご覧になってくださいね♪
そしてカラカラ浴場での伝説のコンサートを楽しみたい方はCDでもお聴きいただけます。
アンコールの「オ・ソレ・ミオ」とトゥーランドット「誰も寝てはならぬ」は今でも語り継がれています。ぜひ当時のコンサートに行った気分で味わってみてください。
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