アレッサンドロ・アローリ「受胎告知」〜対抗宗教改革の作品の特徴

昨日、対抗宗教改革時代の絵画を紹介しました。

聖母マリアを表す花〜バラ編〜サンタ・トリニタ教会
先日ユリが聖母マリアの象徴であることを説明しました。ユリは純潔の象徴、バラは慈愛の象徴として描かれます。こちらはサンタ・トリニタ教会の中にある受胎告知。ヤコポ・キメンティ通称エンポリによる作品です。床にバラ、花...

目にする機会が少ない時代ですが、この後のバロック時代に続く重要な布石です。

時代背景や宗教は芸術に大きな影響を与えています。日本では芸術に社会的背景が影響することが語られません。

どうしてこんな風に描くようになったのか、必ず時代が影響しています。

他の対抗宗教改革の作品を紹介します。
こちらはアレッサンドロ・アローリ「受胎告知」

昨日紹介したエンポリの受胎告知と似ています。

  • 誰が見てもわかること
  • 教義がきちんと表現されていること
  • 鑑賞者が親しみやすい環境が描かれていること

というのが対抗宗教改革で指定された芸術のあり方です。

同じアローリ別の受胎告知です。
天使が訪れた時マリア様はレース編みの途中だったようです。

当時の女性たちがきっと部屋でレース編みをしていたのと同じ光景だったのでしょう。鑑賞者が親しみやすい環境という対抗宗教改革の考えが反映されています。

家に飾るために制作されたと考えられています。

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