聖母マリアを表す花〜バラ編〜サンタ・トリニタ教会

先日ユリが聖母マリアの象徴であることを説明しました。

ユリは純潔の象徴、バラは慈愛の象徴として描かれます。

こちらはサンタ・トリニタ教会の中にある受胎告知。ヤコポ・キメンティ通称エンポリによる作品です。床にバラ、花瓶にもバラやユリ、カーネーションといった聖母マリアを表す花が描かれています。

聖母マリアとバラの組み合わせはイタリアでは16世紀後半から17世紀にかけて多く描かれています。この時期は芸術作品に対抗宗教改革の影響が大きくでてくる時代です。

16世紀初頭におきた宗教改革でヨーロッパはカトリックとプロテスタントに二分しました。プロテスタントの信者が増える中、カトリックはトレント公会議を開き、カトリックの教義について再定義します。その中で芸術作品もよりわかりやすく描くよう指示がありました。

エンポリはその頃にフィレンツェ近郊で活躍した画家。この作品も赤や黄色、緑など基礎の色味と補色の使用が視覚的な美しさと宗教的な荘厳さを表しています。

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