昨日ラファエロ「インパンナータの聖母」の聖母に登場する人物たちをご紹介しました。
ブルターニュ展に行ってきました〜ラファエロとナビ派の共通点
国立西洋美術館で開催しているブルターニュ展に行ってきました。ブルターニュ展 入り口フランスの北西部、大西洋に面した位置です。近代まで独自の文化を守っていて、ヨーロッパにありながら異国情緒が感じられる場所として人気の旅行先で...
聖母子像はわかりやすいですが、ほかの登場人物が増えると「誰だろう?」ってなりますよね。
聖母子像によく登場するのは洗礼者ヨハネ。
ルーヴルにあるラファエロ「美しき女庭師」が有名です。
16世紀以降(ラファエロが行きた時代)以降は幼児の姿で描かれることがおおいですが、それ以前は大人の姿で聖母子像に並びました。
聖母子以外に年配の女性がいる場合どちらかになります。
- 聖アンナ→聖母マリアの母
- 聖エリザベツ→洗礼者ヨハネの母
インパンナータの聖母に登場する老女は聖エリザベツと紹介しました。聖ヨハネが一緒にいるからです。
聖エリザベツとその夫である聖ザカリアはなかなか子供を授かりませんでしたが、老齢になった時祈りが届いて神の力で聖ヨハネを授かります。
そのため、聖エリザベツは年配の女性として描かれます。
一方、聖アンナは聖母マリアの母です。
キリスト教の信仰の中で、キリストだけでなくその母マリアも原罪を免れて生まれたと考えられるようになりました。
したがって、聖アンナが聖母子とともに描かれるのには、聖母子を守る存在であったり、家系に継承されるものを象徴するだけでなく、マリアとキリストの無原罪も表します。
フィレンツェでは聖アンナの日に市民の手に政治の力が戻りました。聖アンナのご加護のおかけということで、オルサンミケーレ教会に聖アンナが祭られています。
優しい聖母子像で有名なフィリッポ・リッピのこちらの作品。背景の出産シーンは聖アンナです。中世にマリアの人生についての物語(黄金伝説)が語られるに従って、聖アンナへの信仰も深まっていきました。
コメント